一条大蔵譚いちじょうおおくらものがたり
鬼一法眼三略巻より
一条大蔵卿長成 |
文武に秀でた公卿なのですが、時の権力者 平清盛に 命をねらわれぬよう“作り阿呆”を続けています。 芝居後半で、一転して正気の正体をあらわし清盛への 密告者を斬り捨て、自分も妻の常盤御前と同じ源氏に心を よせる身であることを告げます。 |
常盤御前 |
源義朝の妻で義経の母。 一条大蔵卿に嫁ぎましたが、大蔵卿はお公家さんで 人が良く狂言小舞いが趣味。 常盤御前(ときわごぜん)とは形ばかりの夫婦なので、 亡き夫を慕う常盤にとっては好都合です。 常磐は弓矢で的を射るという揚弓(ようきゅう) という遊びに没頭しているようなそぶりを見せながら、 その的の後ろに清盛の絵を隠し、本心は平家の滅亡を 念じています。 |